「士綺くん、ごめん……」

「何謝ってんだ。椿月は何も悪くない。というか安西、変なこと言うな」

「なんや茶化したうちがアホみたいやーん。ホンマ悪いことしたなぁ。ま、でも二人一緒のほうがええやろ。ええで、うち玲音と寝る」

「結蘭、言い方」

「べつ変なこと言うてへんやろ」



そのやりとりに、私と憐夜くんは大笑いしていた。

結蘭ちゃんってば、変な言い方する……。

でも玲音くん優しいし、従兄でも結婚できるし、結蘭ちゃんにとったらいい相手……?



「え、じゃああまり組で僕涼クン? 涼クン、可哀想者同士仲良くしようじゃないか」

「なんか言い方嫌なんですけど。俺は別に誰でもいいですけど」



なんだか嫌そうな涼くんに、私たちは苦笑いを浮かべた。



「じゃあお風呂にレッツゴー!! 大浴場って言っても、貸切にしたから誰もいないよ!」

「え!? 貸切って、そんなことしていいの?」

「だって僕の家のものだし〜。まあ叔父さんのだけど、何してもいいって言われたから〜」

「す、すごい……」



やっぱり憐夜くんたちとは次元が違う……。



「ほら、早く荷物持って行こ〜! じゃああとで!」

「うん! 結蘭ちゃん、行こ〜!」

「せやな〜」



私はまだ、“あとで”の意味を理解していなかった。