さすがに知っている人でも、男の人と寝泊まりは嫌だと思う。

そう思ったけど、憐夜くんが何やらクジを出した。



「はいこれ! クジで決めるよ〜。結蘭ちゃん安心して〜。結蘭ちゃんが泊まる部屋は、寝室別々になってるから〜」

「いやうちは別になんでもええで? 椿月と獅子堂、まだやろーから譲るで〜」

「ゆ、結蘭ちゃん!?」



そう。私たちはまだそこまで発展していない。

多少なことはされても、士綺くんと……さ、最後まですることはない。

いやなんで知ってるの!? 誰にも言ってないし、士綺くんも言うことはないのに。



「どうせ椿月がゴネてんやろ。獅子堂生殺しとか可哀想やな〜」

「……」



士綺くんはまるで頷くかのような視線を私に送ってきた。

毎回勇気を出せなくて、士綺くんを我慢させてしまっているのは事実。

怖くて、直前になって無理と言ってしまう。

何度目かそれを繰り返して、士綺くんは気を使って手を出さないでくれている。