「ま、まあまあ椿月。こんなとこ泊まれるん人生最初で最後かもやろ? 楽しどこって」

「ゆ、結蘭ちゃん考え方軽いよ! だってここ、ウン百万はするって聞いたよ!? 気軽に無料にしてもらっていいところじゃ……」

「もー! つーちゃん士綺クンの婚約者なんだし、こーゆーとこは慣れないとー!」

「そ、それとこれとは訳が違う!」



私が焦っている中、玲音くんと涼くんはサラッと入っていった。



「え!? み、みんな慣れてる……」

「この程度のホテル、どうってことないだろ。憐夜、お前センス落ちたな」

「何をー!!」



士綺くん、感覚狂ってるよ……!

普通の人なら腰抜かして倒れ込んでる……。



「ほ、本当にいいの? 私泊まっても……」

「いいって! あ、士綺クン、あれはちゃんとしてるからご安心を。仲良くね〜」

「ああ」



混乱する私を横に、何やら憐夜くんと士綺くんがコソコソと話をしていた。

私は気にすることなく焦ったままだった。