憐夜くんにはこの先一生嘘つけない……。



「やから結蘭も睨んできたのか」

「あ、玲音くん!」



玲音くんは結蘭ちゃんを連れてプールから上がった私たちに近づいた。

それより、結蘭ちゃん玲音くんのこと睨んだんだ……あはは。



「俺は無実。危ないの憐夜だから」

「なんやと〜!? 天王寺最低や〜!」

「なんで僕に飛び火すんの!? 僕何もしてないのに〜」

「ナンパしてきた女子に投げキスするとかキショ過ぎだろ」

「えっ、憐夜くんそんなことしたの!?」

「ノリだって! だって〜!」



なんやかんやで揉めている私たちを士綺くんはただ見ていた。

そのとき、士綺くんは上着を私にかけた。



「椿月、俺浮気とか絶対しないから」

「当たり前だよ! もうっ、どこ行ってたかは知らないけど、勝手にいなくならないでよ! 約束ね!」

「ああ」



私は士綺くんの腕を掴んでそう言った。