「椿月顔真っ白だぞ? 寒いのか? 風邪引く前に上がるぞ」

「もう、都合の悪いときは無視して〜……」



でもなんだかんだ優しいから、私も許してしまった。



「あれ? 玲音くんは?」



玲音くんがいないことに気づいて、周りを見回した。



「ん? 玲音くんなら結蘭ちゃんの回収に行ったよ〜。結蘭ちゃんもナンパされてたんだって! ほんと気持ち悪い男は世界にうじゃうじゃいるもんだね〜」

「それお前だろ」

「何をー!!」



さっきまで怒っていたのに、つい笑ってしまった。



「ねえつーちゃん、士綺クンが浮気したと思ってるでしょ?」

「っ、え……!」



まさか言い当てられると思ってなくて、変な声が出てしまった。

えっ、なんでわかって……!



「ほら、さっきウォータースライダーの下で女の子に声かけられたじゃん? そのとき二人分くらいの視線感じてねー」

「う……まったくその通りです……」