「おい姉ちゃんいてーんだけど? どーしてくれんだよ」

「す、すみません……。救護室連れて行きましょうか? あっちにあっ───」

「そーいうこと言ってんじゃねーよ。体で払えよ、ねーちゃん」

「えっ、きゃっ……!」



今まで以上にない力で腕を掴まれた。

何これ、離せない……!

振り払うこともできないくらいの力の強さに、私はプールの中で震えた。



「ほら、早くこっち来いよ。ここで殴られたいのか?」

「い、いや……やめて……!」

「───椿月」



パシャパシャと暴れていたら、士綺くんの声がした。

振り向くと、そこには士綺くんの姿があった。



「てめえら、椿月に何やってんだ?」

「っ、ひっ……!」



とんでもないドスの効いた声だけじゃなく、恐ろしい目で睨まれた男の人たち。



「この場で殴る? てめえら殺すぞ」

「ひっ……!」