「あれ、ここどこ……?」
私は結局迷ってしまい、途方に暮れていた。
言われた通りこっちに来てみたけど……何も無い?
どうしよう、絶対どこかで道間違えた……。
士綺くんに連絡したけど、電話は出なかった。
「うう、電波弱いし、ここどこぉ……」
木の影から立ち上がったときだった。
───バシャッ。
「きゃっ!」
顔に水がかかり、いったいなんだと思い顔を上げたら、小学生くらいの男の子が二人いた。
「え、あ、おい、人に当たっただろ!」
「え、ご、ごめんなさい……!」
持っていたのは水鉄砲で、木には的が貼ってあった。
なるほど、水鉄砲で遊んでたら私に命中したんだ。
「全然大丈夫だよっ。でも道があるから、水鉄砲使うならちゃんと許可されたところでするんだよ!」
「うん! ごめんね、お姉ちゃん!」
「ううん。たくさん楽しむんだよ〜」
「はーい!」