今日はすごく天気がよかったけど、今日の体育は体育館でバスケだった。陸上ほどじゃないけど、バスケをするのもわりと得意で好きだったりする。

「緋呂ナイスー!最後のシュートよかったよ~!」

「ありがとうリコちん、ギリイケるかと思ったんだよね」

ピーッと体育館に笛の音が響いたら試合終了の合図、あたしたちの勝ちだ。

体育でも勝つと嬉しいよね!

ご機嫌でコートから出て次のチームと交代した。

「緋呂大活躍だったね~」

「楽しかったバスケ~!こんちゃんは…」

「え?なぁに?」

にこりと笑って無言の圧力をかけられた。こんちゃんはあまり運動が得意じゃない。

でもそれも人それぞれだからね、うん!いいと思う!

「あ、男子の方も試合始まったよ」

体育館を半分に仕切ってネットがかけてある反対側は男子が体育をしてる、今日は男子の方もバスケみたいでうちのクラスの男子の試合が始まっていた。

まぁうちのクラスということは…

「十六夜くん大丈夫?」

「……。」

コートの中でオドオドしてる穂月がやたら目立ってしょーがなかった。

穂月、何してるの…

全然バスケできてないじゃん!?
全然どうしたらいいかわかってさなすぎ!

てゆーかバスケのルール知ってる!?
動きが不審者すぎるよ!!

…あれだ、普段は体育は見学してるから。


体育館でやる時しか参加できない穂月の運動下手すぎ問題がこんちゃんよりえぐい…!!!


こんちゃんはできないなりにパス回してたよ!

もっと積極的にいかないと!

声出して!


そんなんじゃ…っ


「あっ!!」


シュッと勢いよく穂月のもとへ飛んで来たボールがドカッとクラッシュするように弾いた。

うわっ、今のはやばいんじゃない…!?
当たり方絶対おかしかったよ!

穂月の手に当たって跳ね返ったボールがコロコロと転がっていく…

「十六夜大丈夫か!?」

あぁーーーー…

試合が止まって先生が駆け寄って行った。

今のはきっと大丈夫じゃない…よね?
絶対ケガしたよあれは!

しかもたぶん、本当は違う子にパスしたかったんだけど一応参加してた穂月がコートの中をウロウロしてるから投げたら当たっちゃったみたいな…

「十六夜くん行っちゃったね」

「あれはきっと保健室だよね、あたしもあとで行って来る…」