「そーいえばこないだね、満月おばぁちゃんが魔法のハーブティーだよって持って来てくれたんだけどね」

「うん」

「おばぁちゃんが魔法をかけると青色から紫に色が変わったの…!」

「…それって」

「バタフライピーだよね!?」

俗にいうレモンを入れると色が変わるあれじゃないかってさすがのあたしでも思った。こんな子供だましに騙されないぞって。

「俺もそうかと思うけど、ばーちゃんだからな」

「え?」

「案外マジなんじゃね?」

「穂月がそう言ったらマジになるじゃん!」

うーんと目を細めて、どうだったのか思い返してみる。

レモン持ってたかな?何も持ってなかった気がするけど、どこかに仕込んでた?

「本当か嘘かわからないもんなんだよ実際」

「それが満月おばぁちゃんって感じするよね」

色は変わっていたけど、もしかしたら中身も変わっていたかもしれない。そんなのあたしにはわからないし。

でもそこに満月おばぁちゃんの秘めた力がこもってるって思ったら…ハーブティー1つで力が湧いて来る気がする。


信じる者は救われるってやつなのかな。


「ねぇー、穂月~」

「ん、何?」

そんでもってうだうだどーでもいいこと話してたらすっかり夜は深くなっちゃって。

「穂月眠くない?」

「別に眠くないけど…」

「……。」

「緋呂?おい、寝る気だろ!?」

あたしはもう夢の中に旅立ちそうになっていた。

「緋呂!おい!!」

ううん、旅立ってたね。