〇朝、電車内



電車が到着し、車内に入っていく。



席に座り、ほっと一息つく夏奈。



圭人「夏奈先輩、おはようございます」



優しく微笑みながら夏奈の目の前に現れる圭人。



夏奈「!!お、おはよー。月島くん」



圭人の姿を見て目を丸くしながら挨拶をする夏奈。



意識をしてるのか少し声が上ずっている。



そんな夏奈ことを見ながら隣に座る圭人。



夏奈「((昨日の今日だからキンチョーする・・・!!))」



圭人「どうしたんですか?そんなに慌てて。もしかして、この前の事で意識してるんですか?」



夏奈「んなっ・・・!?そ、そんなことは・・・!!ない・・・と、思う・・・」



頬を赤らめながら圭人の顔を見たあとにゆっくりと視線を逸らす夏奈。



圭人「ふぅん・・・そうですか」



そう言いながら、夏奈の手に自分の手を重ねる圭人。



重ねた瞬間、ビクッと身体を震わせる夏奈。



夏奈「!!なっ、なに・・・!?」



照れて慌てながら圭人を見て声を上げる夏奈。



圭人「前は手を繋いでも無反応だったのに・・・可愛く反応するようになりましたね」



夏奈「かっ、かわっ・・・!?」



嬉しそうにしながらキュッと手を握りしめる圭人。



圭人「ふふっ・・・ねぇ、先輩?好きな人できた?」



夏奈「えっ・・・い、いない、よ・・・?」



目を逸らしながら圭人の問いに答える夏奈。



圭人「僕は?好きじゃない?」



夏奈「っ・・・!?そ、それは・・・」



圭人の事を見て視線を逸らして、を繰り返す夏奈。



言葉を詰まらせていると、圭人が愛おしそうに微笑む。



圭人「・・・ふふっ、今回はその可愛い反応に免じて、これ以上追求するのはやめておきますね」



夏奈「っ〜!!もう!からかわないでっ!」



顔を真っ赤にしながら抗議する夏奈。



圭人「夏奈先輩が可愛いから、つい。怒った?」



夏奈の事をのぞき込むようにして顔を近づける圭人。



夏奈「怒っては・・・ないけど・・・。こういうの、慣れてないから・・・」



圭人から目を逸らしながらボソッとつぶやく夏奈。



圭人「慣れてもらったら困ります。だから、そのままでいてください」



夏奈「そのままでって・・・もしかして、これからも続く感じ?」



圭人「当たり前じゃないですか。僕、引くつもりありませんから。覚悟、しといてくださいね?」



愛おしそうに笑いながら夏奈に告げる圭人。



そんな圭人のことを見て息を飲む夏奈。



夏奈「うっ・・・は、ハイ・・・」