〇帰り道 電車内



圭人と夏奈が並んで座席に座っている。



夏奈「まさか乗る電車同じだとは思わなかったな〜」



圭人「そうですね、僕も驚いてます」



楽しそうに笑いながら圭人の方を見つめる夏奈。



それに対して、うっすら笑みを浮かべながら答える圭人。



夏奈「月島くんってどこまで?」



圭人「・・・先輩と同じところまでです」



夏奈「えっ!?そうなの!?ていうか、なんで私が降りる駅知ってるの?」



圭人「頭脳がミジンコ並の先輩にはわかんないと思いますよ」



フイッと視線を逸らしながら夏奈をバカにする圭人。



夏奈「もー!!そうやって人のことをバカにして〜!!」



プクッと頬をふくらませて圭人に抗議する夏奈。



圭人「別にバカにはしてないですよ。本当のことを言ったまでなんで」



夏奈「それをバカにしてるって言うの!」



ムスッとしながら圭人を見つめる夏奈。



それを見てキュンとする圭人。



圭人「・・・朝、駅で先輩の姿見えたんでわかっただけですよ」



夏奈「あ、そうなの?」



圭人「その時に声かけようと思ったんですけど、なんか・・・ちょっと色々あって結局学校ついてからになっちゃって」



指で頬をかきながら恥ずかしそうに目を逸らす圭人。



夏奈「色々って?」



圭人の言葉にハテナを浮かべながら首を傾げる夏奈。



圭人「・・・色々は色々です」



考える様子を見せたあと、間を開けて答える圭人。



夏奈「?・・・そっか!」



圭人の様子に少し不思議そうにしながら答える夏奈。



話をしているうちに、最寄り駅に到着する。



圭人「着きましたよ。降りましょう」



夏奈「なんか、いつもより早く着いたね。月島くんが一緒だったからかな?」



圭人「・・・僕も、早く感じました」



口元を隠しながらそっぽを向く圭人は少しニヤついている。