〇放課後 正面玄関



上履きを下駄箱にいれてローファーに履き替える夏奈。



そこに後ろから圭人が抱きついてくる。



夏奈「わっ・・・!?」



圭人「夏奈先輩。今帰りですか?」



抱きついたまま声をかける圭人。



夏奈「つ、月島くんか・・・びっくりした〜・・・」



圭人「・・・全然意識してないし・・・」



抱きついたまま少し複雑そうな顔を浮かべる圭人。



夏奈「どうしたの?何か用事?」



圭人「いえ、先輩が見えたので声かけただけです。相変わらず小さいですね」



夏奈「ち、小さくないもん!月島くんが大きすぎるだけだもん!!」



圭人「それにしても良い肘置きですね、先輩の頭」



夏奈の頭の上に肘を置き、顎を乗せる。



夏奈「月島くーん、私は肘置きじゃないよー」



圭人「・・・((ちょっとぐらい意識しろよ・・・ムカつくな・・・))」



ぐぐぐ・・・と力を込めて夏奈の頭に体重をかけていく圭人。



夏奈「ちょっと!重い重い・・・!」



圭人「先輩が一緒に帰ってくれるならやめますけど・・・どうします?」



夏奈「わかったわかった!一緒に帰るから!首折れる!!」



夏奈の返事を聞いて離れる圭人。



夏奈は首をさすりながら圭人のことを見る。



夏奈「月島くんって、意外と意地悪だよね」



圭人「そんなことないですよ。ホラ、行きますよ」



そう言って夏奈の手を取り歩き出す圭人。



そんな圭人に対して驚く夏奈。



夏奈「月島くん、なんで手繋ぐの?」



手を引かれるようにして圭人の後ろを歩く夏奈は圭人を見上げる。



圭人「想像以上におバカな先輩が迷子にならないようにですよ」



夏奈「だっ、だから私バカじゃないもん!・・・勉強はできないけど・・・」



圭人「そうじゃなくて・・・物覚えが悪いからバカなんですよ」



夏奈「?」