〇学校、2年1組前



夏祭りから1ヶ月。



夏奈のクラスまで歩いていく圭人。



その間にも、女子がキャーキャーと騒いでいる。



女子1「ねぇ、1年生?今日暇?良かったら一緒に──」



圭人「・・・」



話しかけてきた女子の言葉を聞きもせず、夏奈を探し始める圭人。



女子「え、無視?私と遊ぼうよ」



圭人「僕、夏奈先輩以外キョーミないんで」



女子を見ることなく、教室の中をのぞく圭人。



圭人「いた、夏奈先輩!」



夏奈「あ、月島くん!」



圭人の存在に気付き、荷物を持って圭人に近付く夏奈。



圭人「帰りましょう」



夏奈「うん!」



優しい笑みを浮かべながら夏奈を見つめ、手を繋ぐ圭人。



遠ざかる2人にギリッと歯を食いしばりながら見つめる圭人に声をかけた女子。



〇外、帰宅路



夏奈「さっき、女の子と何か話してなかった?珍しくない?」



圭人「遊びに行かない?って声かけられてました。でも、僕夏奈先輩以外キョーミないんで断りましたけど」



夏奈「・・・そっか((てっきり、私以外の人と楽しそうに話してたのかな、なんて思っちゃった))」



圭人の言葉を聞き、ホッとする夏奈。



夏奈の様子を見て、嬉しそうにする圭人。



圭人「ヤキモチですか?」



夏奈「ちっ、違う!!」



圭人「大丈夫ですよ、僕は夏奈先輩以外キョーミありませんから」



夏奈「だから違うって!!」



ムスッとしながら圭人を見る夏奈。



そんな夏奈を横目で微笑ましそうに見つめる圭人。



そして、夏奈の頬に片手を添えてキスをする。



夏奈「!」



圭人「ごめんね、先輩。機嫌直して?」



夏奈「べっ、別に不機嫌になんてなってないもん!」



ふいっとそっぽを向く夏奈。



圭人「でも、ふくれてるじゃないですか」



夏奈「ふくれてなんかない!」



圭人「どう見てもふくれてるんだけど」



困ったように眉を下げて笑う圭人。



圭人「((まぁ、そんなところも可愛いと思っちゃってる自分がいるんだけど・・・))ねぇ、先輩?」



夏奈「なによ」



圭人「先輩、好きです」



夏奈「!」



流れるように告白をする圭人。



夏奈「((いつまでたっても、これは慣れないなぁ・・・))・・・私も、好き・・・」



頬を赤くしてうつむきながら、ボソッとつぶやく夏奈。



圭人「ふふっ、いつまでも慣れない恋愛下手な先輩可愛い」



夏奈「そうやっていつもバカにしてくるんだから!!((でも・・・初恋だった月島くんと付き合えたのは・・・嬉しい。この先も、ずっと・・・この関係で居たいな・・・))」



2人が手を繋いで歩いている後ろ姿を映してEND