〇飲食店内



しばらくして、注文した商品が机の上に並べられる。



夏奈の前にはペペロンチーノ、圭人の前にはカルボナーラが並んでいる。



圭人「いただきます」



夏奈「い、いただきます・・・」



圭人につられるように手を合わせ、ご飯を食べ始める2人。



夏奈「((自分に好意を寄せてる男子とご飯を食べるなんて、意識するなって方が無理な話だよ〜・・・))」



ペペロンチーノを食べながら悶々と考える夏奈。



圭人「ふふっ・・・」



夏奈「なっ、なに?」



夏奈の様子を見て、思わず吹き出す圭人。



そんな圭人の方を見て首を傾げる夏奈。



圭人「いや、意識しまくっててんやわんやしてる先輩、可愛いなと思って」



夏奈「なっ!?そ、そんなことは・・・!!」



圭人「そんなことありますよ。ほら、口元についてるのにも気付いてないし」



そう言って、身を乗り出して口元についているソースを指で拭いとる圭人。



夏奈「!」



圭人「先輩って、バカな上に恋愛下手なんですね」



指についたソースをペロッと舐める圭人。



それを見て口をパクパクさせて見つめる夏奈。



夏奈「((私の口についてたソース舐めた・・・!?そ、そんなの関節キスじゃん!))なっ・・・ま、またバカにして・・・!!」



圭人「バカにはしてませんよ。可愛いな〜とは思ってますけど」



夏奈「っ!?」



圭人の愛おしそうなものを見るような目線にドキッとして、フォークを落としそうになる夏奈。



圭人から視線を外してフォークを持ち直し、ペペロンチーノを食べ始める夏奈。



圭人「・・・もしかして、照れちゃった?」



夏奈「べ、別に!」



圭人「そうですか」



ペペロンチーノの無心でたべる夏奈を見て微笑む圭人。



そのままカルボナーラを食べ始める。