〇街中、銅像前



夏奈「はぁ〜・・・」



肩の空いたワンピース姿でバックを肩にかけているのを両手で持ちながら立っている夏奈。




〇回想



図書委員会の仕事中──



記録をしている夏奈の正面に座っている圭人。



圭人「ねぇ、先輩?」



頬杖をつきながら夏奈の方をじーっと見つめる



夏奈「なにー?」



顔を上げることなく、文字を書きながら答える夏奈。



圭人「好きです」



夏奈「っ──・・・!?」



圭人「ねぇ、先輩。今日一緒に帰りませんか?」



夏奈「う、うん・・・帰ろ」



放課後、昇降口前──



夏奈が靴を履き替えている後ろから優しく包み込むように抱きしめる圭人。



夏奈「っ!つ、月島くん!?」



圭人「先輩、みっけ。一緒に帰ろ」



夏奈「わ、わかったから・・・離れて・・・?」



圭人「明日一緒に出かけてくれるなら離れてあげます」



夏奈「あ、明日・・・?特に用事ないからいいけど・・・」



圭人「じゃあ──最寄り駅の銅像前で待ち合わせしましょ」



〇回想終了



夏奈「((まさか、月島くんとお出かけすることになるとは思わなかった。それに──月島くん、あの時からグイグイくるようになったし、今日心臓もつかな・・・))」



時計を見ながら、圭人が来るのを待っていると、圭人がこちらに向かって歩いてくる。



圭人「先輩、お待たせしました」



カジュアルな服に身を包んでいる圭人。



夏奈「そんなに待ってないから大丈夫だよ」



圭人「ありがとうございます。それにしても・・・その格好、可愛いですね。気合い入れてきてくれたんですか?」



夏奈「べ、別に。そういう訳じゃないよ・・・!?」



夏奈を見ながら笑う圭人。



夏奈はその言葉に目を泳がせる。



夏奈「((月島くんと出かけるからって色んな服と迷ったけど・・・別に気合い入れていたわけじゃないし・・・!!))」



圭人「でも、その格好似合ってますよ。めっちゃ可愛い」



夏奈「あっ・・・ありがとう・・・」



顔を赤くしながら、照れてそっぽを向く夏奈。



そんな夏奈を見て愛おしそうに笑う圭人。



圭人「それじゃ、行きましょうか」



さりげなく夏奈の手を取り、歩き出す圭人。



夏奈「う、うん!」



それに引っ張られるように歩き出す夏奈。