〇学校前、桜並木
桜が舞い散る中、学校に向かっている篠原 夏奈。



高校2年の春──何気なく学校へ向かっている最中・・・運命の出会いをしてしまった。(月島圭人の姿を映しながら)



夏奈「ん〜・・・!!」



背伸びをしながら校門前を歩いていく夏奈。



その夏奈の視線の先には高身長イケメンの月島圭人の姿がある。



夏奈「((うわ・・・身長高・・・モデルみたい・・・良いなぁ、身長高くて))」



すれ違おうとする夏奈に近付いてくる圭人。



圭人「あの。篠原 夏奈先輩ですか?」



夏奈の前に立ち、首を傾げる。



夏奈「うん!そうだよ〜。なんでわかったの?」



笑顔のまま圭人に対して接する夏奈。



なぜ自分のことを知っているのか不思議そうにしている。



圭人「やっぱり・・・変わらないですね。この学校に来れば会えると思ってました」



優しい顔をしながら夏奈を見つめる圭人。



夏奈「((わぁ・・・優しい顔・・・だけど──))私、君のこと覚えてないんだけど・・・どこかであったかな?」



圭人「・・・はぁ?」



夏奈「?」



さっきまでの優しい雰囲気とは打って変わって、不機嫌そうな表情を浮かべる圭人。



雰囲気の変わった圭人に対して、少しだけ不思議そうな表情をする夏奈。



圭人「バカっぽいなとは感じてたけど、まさかここまでのバカだとは思わなかった」



夏奈「えっ!?バカ!?」



圭人「バカですよ。僕、月島圭人でーす。バーカバーカ」



そう言って圭人は下駄箱の方に向かって歩き出す。



夏奈「ば・・・バカって・・・((月島くんって子・・・優しそうだと思ったけど・・・もしかして、とんでもなく性格悪い・・・?))」



遠ざかる圭人の背中を見ながらポツリと呟く。