脈絡なく思ったことを口にすると、カレンはそのままベッドのリネンの下に滑り込んで眠りやすい体制にごそごそ体を移動する。
全くどこまで俺を"いい人"だと思っているのやら。
このシュチュエーションは、一応、”お持ち帰り”に入ると思うんだけど、そこのところは全くわかっていないみたいだな。
「また行こうなカレン」
俺のことを信用しすぎているカレンの態度に複雑な気持ちになりながら、もう眠りの淵をさまよっている彼女に、われ知らず声をかけていた。
少しだけ"いい人"の枠を超え、カレンの額の髪をかきわけてあらわになったその無防備な寝顔に見いる。
形のいい額に、……いや本当はそのほとんど口紅の取れかかっている唇に口づけたいという衝動は、"いい人"な俺の部分がどうにかおしどどめる。