「ワインの種類だろ?」
「そう、イタリア料理にも合うけど、ここのアレンジした日本料理にもけっこう合うでしょ? セイジは辛口のほうが好きだし……あらごめん。わたし自分の好きな話ばっかりした?」

酔っていてもそういう気遣いはするんだ。気遣いっていうか心遣い?

「カレン、好きなんだね。ワイン」
「うん。好きよ、なんだかこんなに楽しいのは久しぶりで、わたしもしかして喋りすぎてる? ごめんなさい」

上司なのにカレンはありがとう、より、俺には、なんだかんだで、ごめん、と言うことのほうが多い気がするよ。

「謝らないでカレン。なんで楽しいのに謝るの?」