「ありがとう」
心を武装していない彼女の笑みが、胸の深い場所に響く。
武装なんかしないほうが、こんなにも魅力的な女性なのだ、カレンは。
「お祝いに一緒に食事でもどうですか?カレン、お酒は飲めるほう?」
謝りたい。
もうカレンは忘れているのかもしれないけれど、謝りたいとずっとずっとそのことが胸にひっかかっていた俺は、最初から決めてたセリフを口にする。
「いいわね」
「二人で」
「もちろんよ。チームと言っても実際にわたしを支えてほとんどの仕事をしたのはあなただし。正直、仕事を離れてまでつき合いたい相手じゃないのよね。でもまぁケイトはいい子だけど……。今はさすがにね」