俺のきつい言葉にも表情を変えないカレンの肩は、よくみなければわからないくらい小刻みに震えていた。
迷子になった家猫を連想させる。
母親からはぐれた子供を思い起こさせる。
窓からの明かりに静止する横顔は、淡い色の虹彩だけがきらめくようにわななき、頼りなく揺れていた。
痛々しかった。
こっちの胸が苦しくなるほどに、寂しそうだった。
カレンが悪いのに、なんだかこれじゃ俺がひどい意地悪をしているような気持ちにさせられる。
いたたまれなくなった俺は、まだ無表情で外を見つめている、というより睨んでいるカレンを残してその場を後にした。
『ジョージに振られたばっかりで同じ職場の同じチームはさすがにきついよな』
そう言われていたよな。
振られたばっかり……。
振られたばっかり?