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高層のオフィスからいらいらと外を見ていた。
自分でも何にそんなにいらだっているのかわからないけれど、気持ちが不思議なほどささくれ立っていた。
さっきカレンにあんな態度をとったからか?

俺がいきなりどいたことで、カレンが転びそうになったのはこの二日で二度目だ。
女性にあんな態度をとった自分自身に、むかっ腹をたててるのかもしれない。
だけどカレンのあの態度は、俺がむかっ腹を立てても仕方がないように思える。

「セイジ……」

俺との間に三人は入れそうな間隔を開けて、カレンが窓の前にそっと並んだ。

「ごめんなさい」
「はい?」