「でも、そのコピー機、古いからその新人の、えっと」 「セイジです。セイジ・マミヤ」 「そう、セイジでわかるのか?」 「大丈夫よ」 カレンが俺の腕に手をかけた。 「セイジがいるからだいじょう――……キャ……」 「やめてください」 俺はカレンに触れられた手をそっと払って数歩、横にズレた。 例によって高いヒールの靴を履いているカレンが、派手に片足の重心を失い、倒れそうになったのがわかった。