わたしは鼻で笑った。


「男を呼び出した覚えはないわ。呼び出したのは、部下よ」
「ちょっと面白くないな、って反射的に思いましたね」

「いつかわたしを抜いて、あなたが上司になったら、わたしの服のボタンがどうだの、文句を言えばいいわ。だけど実際にまだあなたはわたしの部下よ。人の服装にケチをつけるのはやめてもらえるかしら?」

「ケチなんかつけてませんよ。あなたの服装はとても上質で、着こなしもスタイリッシュだ」
「ありがとう。だったら、もうボタンを留めるのはやめてもらえる?」