かなり人が少なくなってから、わたしは彼に声をかけた。
「1966年? そんな古いものどうしていまさら」
「ちょっと気になることがあるの」
「どこにありますか? 1966年なんて、PCデータ化してないと思うんですが」
「資料室よ。地下の。棚に古いファイルのまま置いてある」
「取って来ます」
「お願いね」
セイジが資料室に向かうため、広いフロアからエレベーターホールに姿を消したのを確認して、わたしもゆっくりと立ち上がる。
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