「これから考えてみるわ」


「もう考え終わった?」


「まだ始まったばっかり」


「じゃあ、あと一分ね」


「あと五分にして」


「どうして」


「一分じゃ泣きやめないから」


上から笑い声が降ってくる。


それから彼はわたしの頭を引き寄せて自分の肩にぶつけた。


まだ涙が止まらないわたしを、抱え込むようにして歩く。


「来るって思ってた?」


「信じてた。あなたはイクチオステガだから」