トゥシューズも脱いで、膝丈でカットしたウエディングドレスと一緒に持って出た。


持って出て、走りながらウエディングドレスをぎゅーぎゅーと詰め込んだ大きな袋に入れた、と思っていた。


それからその袋はグラマシーの実家で、中を確認もせずに捨ててしまった。


あとから、ああ……あそこにトゥシューズも入っていたなぁ、子供の頃から大事にしてきたのにな、と後悔したけれど、捨ててしまったものは仕方がない。


十四歳くらいにはもうわたしは足のサイズは今と同じになっていて、ゲン担ぎでここ一発のオーディションでよく使ったトゥシューズだ。


でも、わたしは、片方を落としていたの?


Something oldが戻ってきた?


わたしは震える手でそのトゥシューズを掴みあげた。


チャリンと金属音がして、テーブルに丸い銀色の小さなものが転がり出る。


何かが中に入っていたのだ。



「銀貨?」