「はぁ」


「種明かしをすればだね、この老いぼれは君に対して、契約を盾にしか関係をせまれず、関係を作ってしまったあと、いずれ結婚して、後継者を産んでほしかった」


「なっ!? なんとおっしゃいましたっ?」


「やもめの一人暮らしだ。金だけは腐るほどある。贅沢なんかいくらしてくれてもかまわなかった。だが、君の待ち人は別の人だったようだね。当たり前か」


「わたしに、そんな人は、いません」


「そうかな。あの時、マミヤの顔は本当に人を殺しかねない形相だったよ」


「…………」


「調べさせてもらったよ。君の家の事」