「それはおめでとうございます」


「ソンの息子たちと、もう割れることのない温和な会社を作っていこうと思う。知っていたかな、わたしは妻にとうに先立たれていてね。子供もいないんだよ。いずれはソンの息子たちに会社は返そうと思う」


「は、い?」


いまさら、どうしてそんな話をわたしにするのかしら。


「老いらくの恋、ってヤツかな」


「は?」


「カレンさん、君の事だよ。こんな老いぼれでも金だけは持っている。子供はいないができればわたしだってがんばってきた会社は自分の直血に継がせたいと思っていた」