「Mrマミヤを連れて来るもんだとばっかり思っていたよ」


この間と同じドルトンホテルのグリルニューヨークで、モトムラはわたしを待っていた。


わたしとジェシーが席に着くと開口一番、モトムラはセイジの名前を出した。


「ご用件は」


「全く優秀な男だったね。Mrマミヤは。でも情報収集が甘かった、というか。社内の重要機密だから、さすがにマミヤもそこまでは調べられなかったんだろうね」


「はい?」


「君たちと$10000000の契約を結んだあの時には、もうほとんどわたしの社長就任は決まったも同然だった」