誰かに、ううん、ジェシーに結局わたしは聞いて欲しかったのだ。

プライベートすぎる事柄なのはわかっている。

でも、もうそうしなければ、わたしは事の重さにパンクして壊れてしまいそうだった。



彼女の前に、持ってきたバッグの中から一冊の本を取り出して置いた。


「何これ? Stephenkingの『The Shawshank Redempton 』」


「セイジに借りた本、最後のページに紙が……挟まってた」


怪訝そうな顔をしたジェシーは最後のページをめくり、小さな薄い紙をつまみ出し、二つ折りだったそれを、開く。


その表情に驚きの色が広がる。


「カレン、これ……よくわからないんだけど、もしかして?」


日本語だけど、だいたいのことは察しがつくわよね。


「わたしはセイジにとって、ニューヨーク妻なんじゃないの? 世界に羽ばたく営業マンはさすがよね。港港に女がいるのよ」