「ちょっと話そうカレン、モトムラにはあたしが一緒に会いに行く。セイジからも再三カレンとモトムラを二人にしないでくれ、って言われたのよ」


「大丈夫よ」


「ふらふらしてるじゃない? ちゃんと食べてるの?」


そうか、だからこんなに朦朧(もうろう)とするのか。


最後に食べ物を口にしたのはいつだっけ?


「下のクイーンズに行こう。バッグ取ってくる?」


もう就業時間はとっくに過ぎ、遅いニューヨークの日の入りも終わりかけている。


ジェシーはわたしの了解も得ず、腕を引いて、お財布や貴重品を取るのもそこそこにクイーンズカフェに向かった。


「どういうことなの? カレン。セイジと一体何があったのよ」

クイーンズカフェの椅子に座るやいなや、ジェシーは口を開いた。


「これを……」