パパに派遣されてきた救急車はAdvancedという高度な医療が受けられるほうの救急車だった。


脳梗塞から日が浅いことが配慮されて、こっちの救急車が手配されたのだ。


ただ、アメリカの救急車は無料じゃない。


基本料金に加えて1マイルごとの追加料金。


それにこれだけ大掛かりな処置を救急車の中で受けたら、いったい後でいくらの請求がくるかわからない。


こんな大変な時にまでお金のことが頭をよぎる自分に嫌気がさす。



「助かってくれなきゃ困るのよパパっ。パパがいてくれなきゃ……わたしなんて……」