「嫌よ。着たものをセイジに洗濯させるなんて恥ずかしい」


「そんな面倒なことしてたら気軽にこれないじゃないか」


「持って来るわよ。それに……やっぱりパパが落ち着くまでは」


「……わかったよ」


ここで強引になってしまえばいいのかもしれない。


離してはいけないと、ここで行かせてしまったら、あとで絶対に後悔すると、そういう予感がするんだよ。


だけど、カレンの家族のことを考えると、どうしてもそんな自分勝手な行動をとることができなかった。


カレンがどれほど家族のことを考えているか、嫌というほど見せつけられているから。


ただ一つだけ願うのは、オフィスでも、プライベートでも、カレンが頼りにする男でありたいよ。