「これ、映画にもなったわよね。見てもいないし読んでもいない。面白い?」


「面白いよ。後半はもう、英語が読めないとか言ってる場合じゃないくらい夢中になった。俺、これがスティーブンキングの中で一番好きだな」


「そんなに面白いんだ?」


「最後はかなり感動するよ。読むなら貸すよ? 俺、ちょうど読み終わったから。前半モタついてだいぶかかったんだよな。一月以上。好き? カレン。スティーブン・キング」

「Stand by me がすごく好き」


「俺もそれも好き。でもこっちのほうがもっと好き。The Shawshank Redempton よりもっと」

カレンの頬に軽く触れ、それから俺は煙草をもみ消して彼女を組み伏せた。


ふざけて無駄な抵抗を試み、逃れようとするカレンの笑い声が、耳に優しく心地いい。

明日からこのベッドで一人か。

このままここに住めばいいのに。