あー、いや、ここまではカレンだって俺が最初につき合った相手じゃないんだから、他の誰かが知っているか。

そう思うとヤキモチで噴火しそう。


いままで休火山だった俺の脳内も、これからは活火山になるんだろうな。



こういうのはどうだ。


俺の買った婚約指輪をしている--ああ、これもダメか。

じゃあ、これならまだ俺以外のどの男も体験したことのない状況だ。


俺の子を妊娠しているカレン、なんてな。

飛躍しすぎてカレンに知られたら完全に引かれるな、この発想は。



「セイジ? 怒ってる顔になったりニヤけてみたり、なんだかおかしいんだけど大丈夫?」


「おかしくしてるのはカレンだよ」

「どうしてよ? わけがわからないわよ」



頬をふくらませて睨んでくるカレン。

オフィスで見たことのない表情を、自然に見せる彼女が可愛いくて仕方がない。