この週末は強引にカレンの時間を奪ったけれど、ここに彼女が頻繁に泊まりに来ることは、ないんだよな。



ちゃんと美味いマンハッタン流のトマト味クラムチャウダーを飲みながら、考えていた。


「セイジ?」

「ああ……うん。美味いな」

「今日、どうする? 行きたいところ、ある?」


「行ってみたいところは、あるよ」


「どこ?」


「自由の女神」


カレンが笑い、白い歯が覗く。


「なんだ。妹に自由の女神グッズを買うためじゃなかったの? セイジが行きたいの?」


「気がつけよカレン。口実つけてデートに誘ったの! 自由の女神は普通行ってみたいだろ。俺、ニューヨークに来たのにまだ見てないんだ」