わたしの決意を知ってか、モトムラが上ずった声を出した。

せめて、せめて酔わせて少しでもこいつと一緒にベッドにいる時間を減らすことはできないものだろうか。
わたしはモトムラのグラスになみなみとワインを注ぐと、ウエイターに手をあげて、ワインリストを持ってきてくれるよう指示を出した。

少しは動揺しているのか、モトムラは頻繁にグラスに手を伸ばす。
こいつ強いな。
あわよくば酩酊状態で部屋に連れ込み、そのまま寝てくれれば……なんて都合のよすぎる願望も打ち砕かれる。

「部屋に、行きましょうか。カレンさん」

あれから何杯かワインを飲んだ後、モトムラは静かな声で言った。

死刑宣告が鼓膜に響く。