ハーバードのビジネススクールを出ていたって、男と同等に戦おうとしたらせっかく持っているEカップバストもくびれたウエストも、なんだって使わなきゃ生き残れないのよ。
身長が百五十五しかないことも、大柄女性が多いアメリカで苦労しているんだから。
十一センチヒールもわたしの大事な武器なのよ!
「そんな甘いこと言ってたらここでは生き残れないわよ?」
わたしは妖艶に微笑んで彼を見つめながら、彼が今留めたばかりのボタンをゆっくりとまた二つ外した。
かなりムっとした様子だったけれど、彼はおとなしく黙った。
そのままほんの少し歩くと、大理石貼りの大きなエントランスが通り沿いに見えてくる。
そこをわたしたちはそろって抜けた。