「もう、憔悴しきって、混乱してて。ドクターの話もまともに聞けない状態よ。あんまり取り乱すから今、処置室で安定剤の点滴を受けてる」
「そう」

ママは、ホントに苦労知らずのお嬢様で、パパに甘えて暮らしてきた幸せな人だと思う。
ママがいるだけでまわりが幸せオーラで包まれるような、そんな人。
ママに心配をかけるわけにはいかなくて、わたしもママには結婚式があんなふうにダメになった時でも泣きついたりはできなかった。

パパにもしも、もしも何かあったら、わたしがしっかりして、ママとリラを守らなくちゃいけない。