あんまり今さらなことを言うもんだからわたしは振り向いてしまった。


「提出してないんだよ」

何がいいたいのよ? 
今さら提出していないって何? 
ケイトはどうなるのよ?

「じゃあ、今からすぐにでも提出しなさいよ。妊娠してるケイトと赤ちゃんのことを考えないとね」
「妊娠は、嘘だった」
「え?」
「妊娠してるから、どうしても結婚してくれ、って、言われて……」

わたしは言葉を失って、ただジョージの顔を穴があくほど見つめた。

「でも俺は、どこかでこの妊娠は嘘なんじゃないかって思ってた。俺一人で提出に行くよってケイトには言ったけど、本当は提出してないんだ」
「……」