「カレン、すごく自然に笑ってた。ほんとにいい笑顔だった。あの最低最悪の結婚式からまだ三ヶ月しかたってないなんて思えない。Mrマミヤのおかげなんでしょ?」

「違うわっ!!」

わたしは大きな音をたてて、おもわず椅子から立ち上がった。

「カレン……」
「わたしとセイジはそんなんじゃない。ただの上司と部下よ」

突然の剣幕に驚いたジェシーが、上目遣いで口をかすかに開け、真顔でわたしを凝視している。

だけど本当のことよ。
セイジだってわたしをそんなふうには見ていない。
彼はまだ日本から出てきて間がないから、同じ日本人のわたしといると気が休まるのよ。

英語は得意だろうけど、母国語と同じというわけにはいかない中、わたしとなら肩肘張らない日本語の会話ができる。