赤ちゃんペンギンの可愛らしいしぐさにはしゃぐカレン。
ペンギンの水槽を指さして俺を振り仰ぎ、笑うカレン。
休日の君は会社にいる時よりも、いくつも若く見えるよ。
若く、というよりも幼く見えるよ。
動物たちの可愛らしさを力説し、俺にも見ることを促す。
君の指の先を見るフリをして、君の笑顔を俺は見ていた。
陽が傾きかけてから、俺たちはハーレムに向かった。
生のオイスターやクラブを食べさせる有名な老舗レストランは避けた。
シーフードの好きなカレンは、もう何度も来たことがあるんだろうと思ったからだ。
何度も、つまりはジョージとも来たことがあるんだろうと思って、あえてそこは避けた。
会社の他の部署で、最近仕事がらみで仲良くなったスティーブンから教えてもらった店に連れて行く。
スティーブンの親戚が経営していて、会社でも気のおけない接待では何度も使っているから、俺の名前を出せば優遇してくれる、と言われていた店だ。