「もう……」
俺と自由の女神に行くことになった時、カレンは明らかに落胆したようにそう呟いた。
しかけたのは俺だ。
面倒見のいいカレンが、困っている人間をほおっておけないカレンが、俺と休日を過ごしてくれるにはどうしたらいいのかと、失敗しない方法を考えて、彼女がそう動くよう仕向けた。
その方法は成功した。
成功、したんだろうか、本当に？
浮かれているのは、もしかして俺だけ？
そうだな。
カレンは生粋の日本人だけど、こっちの生活がほとんどの完璧なニューヨーカーだ。
自由の女神なんて子供のころから、もう飽きるほど見てきているんだろうな。
「んー……」
俺は頭の後ろに片手を持っていって、軽いストレッチをやりながら考えていた。
