本当に自由の女神への行き方がわからなくて、困っていた時に一緒に行ってくれる人間がみつかったから単純に嬉しかっただけなのよね?
わたしはセイジと『私』をともにしたくないの。
セイジに『私』の部分まで占領されて、頼るようにはなりたくないの。

「もう……」

セイジのドヤ顔に対して、わたしは肩を落として諦めたようなため息をついた……かもしれない。
次の瞬間セイジの表情から、するするとドヤ部分が抜け落ち、さっきまでの不安げな表情がちょっとだけ戻る。