なんならケイトと住んだってかまわない、と一片の感傷もなく思える自分が不思議でもあり、おかしくもあり、清々しくさえあった。
わたしってこんなに早く、切り替えができる女だったのね。
まぁ、あれだけのことをされたら、誰でも感傷を通り越して興ざめするものなのかもしれない。
中途半端な別れより、ジョージという人間への失望が大きかっただけ、いっそ気持ちの踏ん切りがついているに違いない。
セイジが赴任してきて、環境が大きく変わり、オフィスのムードが以前より明るくなったこともいい方向に作用している。
そう、最初にセイジと食事に行った時はとても楽しかった。
わたしを部屋まで送ってきたのに、指一本触れないところが信用のおけるまさに"いい人"だったわね。
いいお友達にもなれたわたしとセイジは、あれから何度か食事をした。