自分で他の女に走ってカレンを捨てておきながら、今さらうわべだけの優しさを見せるんじゃないよ。
もうカレンはそんなみせかけだけの優しさには騙されない。

二度、同じ間違いをするような浅はかな女性じゃない。
仕事中のカレンにはその容姿とは別の美しさがある。


所作もきびきびした口調も背筋を伸ばした立ち姿も、見とれるほどに清々しく、綺麗だ。
だけど可愛くもあるんだよ。

仕事に熱中し、真剣にパソコン画面に向かう彼女は、ともすると無意識に三番目のボタンを外そうと指が動く。
そうして途中でそれに気づくと、確認するようにちらりと俺のほうに視線を向ける。
絡まる視線に体温があがるのがはっきりわかる。