「はぁっ、はぁっ、はっ」


 呼吸が短くなり、酸素が上手く吸えなくなる。

 何か言おうと口を開いても、声にはならずただ短い息が漏れるだけ。


 短く浅い呼吸しか出来ず、息苦しい。


 どうしよう。どうしたらいいんだろう。

 苦しい。苦しいよ。


 次第にその場に立っていられなくなり、とうとう床に膝をついた。

 視界がぐにゃりと歪んで、頭が重い。


 誰か、助けて。
 お願い、助けてよ。


 苦しさのあまり胸元をぎゅっと強く握りしめる。

 誰かが勢いよく扉を開ける音が聴こえたような気がする。



「はっ、は……っ」


「紗那……っ!?大丈夫……!?紗那!?しっかりして!」