翌朝。
入院生活2日目はとくに何にもすることがなく、わたしは窓の外から見える青く澄んだ空をただぼーっと見つめていた。
時折、ふわりと頬を撫でる風が心地良くて自然と頬が緩む。
足を骨折してしまっているわたしが外に出るには誰かの助けが必要になるから基本的に病室で過ごす時間が増えてしまう。
そんな中で唯一外の空気を感じられるのがこの窓からだ。
また、ふわりと風が吹いてカーテンが暴れている。
だけど、その瞬間にわたしの病室に何かが風に乗ってばさり、とベッドに落ちた。
紙飛行機……?
わたしの目の前には赤色の紙飛行機が見える。
普段なら誰かのいたずらかたまたま投げ込まれたんだなって思って放っておくけれど、どうしてだか今日はそれができなかった。
だって、わたしも昨日紙飛行機を外に向かって飛ばしたから。
偶然にしては出来すぎているような気がして興味が湧いた。
わたしは恐る恐るその紙飛行機を手に取って、丁寧に紙を広げ、目を大きく見開いた。