それに、誰かに何かを言われているわけでもないのに外を歩くと悪口を言われているような気がして耳を塞ぎたくなった。


 徐々に自分の心は”言葉”によって蝕まれていたことにわたしは気づかないフリをして誰にもバレないように平然を装って過ごしていた。



『ねえ!紗那ちゃん!またバズりたいからなんか弾いてよ!』


『みんなに聴いてもらえるチャンスだよ!』



 バズって数日後。
 学校に着くと、ユウナとアヤカがキラキラした笑顔でわたしにそう言ってきた。


 この二人はきっと良くも悪くも晒される対象が自分ではないからそんなふうに軽く言ってくるんだと思う。