そんな中でも話しかけてくれる子はいて、何とか浮かないようにみんなに合わせて少し無理をしてでも生きていた。


 合わせていればみんな笑ってくれていたし、楽しく過ごすことができたから。



『紗那ちゃんって、ピアノ弾けるんだよね!』


『すごーい!』



 クラスの中でわたしに話しかけてくれて仲良くなったのはユウナとアヤカだった。

 二人ともわたしがピアノを習っていることをすごいと褒めてくれて嬉しかった。



『ねえ!せっかくだから紗那ちゃんがピアノ弾いてるところを動画に撮ってSNSに載せてもいい!?』


『あ、うん。わたしなんかでよければ……』



 だから、普段なら断るそんなお願いも了承してしまったのだ。